印度人との交渉術

医学生のときに初めて訪れたインド。
その地に医師として足を踏み入れた。

こちらで正式な医師として働くには、たとえボランティアであっても膨大な手続きが必要。
渡印後、足掛け7か月。それも各行政機関を何度も往復のすえ、昨年末にようやく医師免許(1年間)を取得した。

これからニューデリー初の日本人クリニック開設を目標に、動き出す予定。

これまで渡印前に日本や米国で学んだ西洋医学・漢方医学に催眠療法、そして渡印後にこちらでトレーニングを受けたアーユルベーダやオーラ・チャクラ診断そしてシータヒーリング。それら癒しの手段を有機的に統合していくのがこれからの夢である。

その夢の実現のため、ブログを通じて学んだことを読者の方々と分かち合えればと思い、2012年1月吉日ブログを新開設!

まずは、昨年の医師免許取得や、生活基盤の構築の中で、体得したインド人との交渉術についてまとめてみたい。

一言でいうと、それは全て“体当たりで交渉”であるということ。
メールでの交渉はまず不可能。電話では回されまくり。その挙句に会話の途中で電話が切れる。後で折り返すと言われても折り返しの電話はまずかかってこない。など間接交渉はまず困難である。

それに比して、直接現場に出向き、直接担当者と交渉すれば、道が開かれる可能性は上がる。
それでも担当者が約束の時間に突然休暇をとっていたりと難関はあるが、上司と交渉すればなんとかなることが多い。

そこでの鍵は、心を掴んで、個人的に上司と親しくなることである。
印度の社会は、かなりトップダウン形式であり、上司と仲良くなるかがその後の明暗を分ける。

そのためには、体当たりでボスの心を掴みにいくというのがキーポイントだ。

その他、借り家の家主との関係でも常に“体当たり”が功を奏す。
例えば、お風呂のお湯がでないとき、台所のガスボンベが空になったとき、普通に交換・修理を依頼しただけでは、何日たっても改善されない。

そこでもっとも有効なのは、“体当たり交渉”である。
お風呂セットをカゴに準備して、銭湯気分で、大家さんの家に駆けつける。
夕食の食材と鍋を両手にかかえ、大家さんの台所を使わせて頂く。

こうした“体当たり”が、人の心を動かし、人の行動を変える。

日本では“相手の気持ちを察する文化”ゆえ、“体当たり”なんて必要ないことがほとんど。
だが、いざ日本の外、特にここインドでは、いかに“体当たり”するかが肝要だ。

ご参考になれば幸いです。

感謝をこめて。